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6.理想的な歩行フォーム

更新日:2023年6月25日

歩行分析の文献によると、腕が振れたり大股で歩くということは、歩行の際に機能すべき部位が機能した結果であり意図的に行うものではないと述べています。

私は理想的な歩行とは、「安定感があって効率がよく、長く歩いても疲れず、特定の部位に痛みを感じることもなく、美しい構えで気持ちよく歩けること」だと考えます。

理想的な歩行に重要なのは歩行フォーム。そのひとつの見本になるのがマラソンランナーのフォーム。歩行とランニングとはそもそも概念が違うのですが、マラソンは2時間走る抜くためのスタミナとスピードが求められます。ランナーはトレーニングによって、効率の良い、疲れにくい、障害を起こさないフォームが出来上がります。このフォームに理想的な歩行フォームづくりのヒントがあるのではないか?と私は考え、あえてランニングフォームについて一流ランナーと市民ランナーとの比較検討をしてみました。


フォームの違いで最も気になったのは腕と脚の使い方です。

腕の振り方は、一流ランナーも市民ランナーもバランスとリズムをとるよう一定のリズムで動いてます。一見すると同じような動きですが、市民ランナーは腕だけが動き一流ランナーは腕と同時に「肩」や「胸」の動きもみられます。また腕や脚の前後の動きは市民ランナーが前方へ大きく動かしているのに対し、一流ランナーは後方への大きな動き(脚は支持脚の蹴り)がみられました。これは歩行分析(文献:ペリー歩行分析)でも述べられている脚と腕の動きに類似しています。脚の動きも同様、分析によると歩行時の腕と脚の動きは、前方はパッシブ(受動)、後方はアクティブ(能動)となっています。

市民ランナーと一流ランナーの違いの原因を私は「前足部(足趾及び母趾球から小趾球の前足部分)」の使い方だと考えました。一流ランナーは「前足部」でしっかりと地面を押しているのに対して、市民ランナーはつま先で蹴っている。だから市民ランナーは身体の上下動も大きくストライドを稼ぐために振り出す脚に意識が働いているように思えます。一方、一流ランナーは上下動も小さく左右のブレも含めて競技中の身体の揺れはほとんど見られません。そして、一流ランナーのフォームは実に美しい胸からつま先にかけてきれいな曲線を描いたフォームです。

このフォームの源は十分に鍛えられた「体幹」「股関節」「前足部」個々の機能と全体の協調性によるものです。是非これを参考に歩行フォームづくりに役立てたいと考えます。


さて、歩行とマラソンの共通点は効率的に前方に移動することです。

得られた力を前方に向ける力「推進力」。推進力は足で受けた力を前方に向ける。それも無駄なくできるだけ正確に力をコントロールすることが重要です。

そのフォームが前足部から胸にかけて綺麗な美しい弓なりの曲線を描くことなのです。

腰を反らして真っすぐにしたら胸は上を向き、背中が丸いと胸は下を向きます。常に胸は前を向けたフォームが重要なのです。


理想的な歩行フォームとは、①身体を移動させる場面での「前足部」の押し出し、②胸から前足部にかけて気持ち良く、程よく伸びたきれいな曲線をイメージ、③振り出す脚は遠くに着こうとはせず無意識に、④かかとやつま先も意識することなく自然に振り出され、⑤つま先を上げるとか、かかとから接地するとかを意識せず、⑤腕も大きく振るのではなく腕を後ろに引く(または肩を後ろに引く)こと。

これが理想的な歩行のフォームづくりのヒントになると考えます。

今までの概念である、背すじを伸ばし、大股で、腕を大きく振って歩くといった考え方はここでいったんリセットし改めて理想的なフォームづくりを一緒にやりましょう。

 
 
 

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©2022 by 健康運動指導士 山田和彦。Wix.com で作成されました。

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